( ´・ω・`) 放射線、浴びてますか？ その2

前回に続いて放射線の話。


放射線を浴びると聞くと、たいていの人は多少の不安を感じるかと思います。
でもこれとは逆に、浴びている状態が心地良い、または健康的だと感じるスポットがあるのです。

（ラジウム・ラドン）温泉です。

これって本当に健康に良いの？
ということを、ちょっと真面目に考えてみます。
( ´・ω・`)　

岩盤に放射性物質（ラジウム・ラドンなど）を比較的多く含む場所にある温泉地では、岩盤やその成分が溶け込んだ温泉が発する低レベルの放射線を浴びることや、その温泉を飲む（！）ことが健康に良いとされており、多くの人々がこれを目的として訪れています。
癌の発生が抑えられると謳っている人もいます。

初めに言ってしまうと、低レベル放射線が健康に良いか悪いかということは、まだ明らかになっていません。
もしかすると、特に何の影響も無いのかもしれません。
では、なぜ健康に良いと言われる様になったのか？

昔、ある学者が健康に良い、または癌の発生が抑えられるなどという発表をした。
で、現地の人々が温泉の宣伝にそれを利用した。

という流れのような気がします。（想像です。）
（他の要因としては、ラジウムが以前から癌の治療に用いられていたことなどが考えられますが…。）

そもそも、低レベル放射線が人間の健康に与える影響を科学的に調べることは不可能です。
統計的に長寿の人が多い、癌になった人が少ないなどと分かったところで、その要因が本当に放射線なのか、またはその地域特有の食習慣なのか、はたまた気候なのか遺伝なのか……と考えるべき要因は無数にあるからです。



『よくわからない』、で終わるのもアレなので、放射線が人体に与える影響（健康に与える影響ではない）を考えてみます。

γ線やX線はDNAに傷をつける。
これは事実です。
透過力の強いγ線やX線は、DNAの化学結合を直接的に切断します。
また人体中の水分子に作用し、それによって生じたラジカルによってDNAの化学結合に間接的に影響を及ぼします。
（体内に放射性物質を取り込むと、内部被曝によって電離作用の強いα線の影響も受けてしまうためさらに深刻です。）
ただ、DNAに同時にできた傷が1ケ所だけであれば、DNAは完全に修復できます。
2ケ所以上だと稀に修復に失敗して、これが細胞の突然変異（癌化）等の原因になります。

この点が問題で、
一定値より弱い放射線なら細胞（健康）に害は無いとする考え（閾値的考え）と、
いくら微弱な放射線でも細胞（健康）にとってはリスクであるとする考え
の二つが存在します。
どちらの説を信じるかは今のところ個人の自由です。
ようするに、今流行の『自己責任』なわけです。

………アレ？結局『どちらとも断定できない』？
( ´・ω・`)　



【おまけ】

『低レベル放射線は健康に良い！』と信じて疑わない様々な業者により、放射性物質を含んだ健康？グッズが販売されています。
かなり、いい値段がついてたりします。
そのうちの一つを紹介するので、興味がある人は下記のURLをコピペして見に行ってください。


ホルミシス温泉母岩～126000円（税込）
www.store-mix.com/ko-bai/product.php?pid=319487

【以下つっこみのようなモノ】

とりあえず、値段が高い。
でも、ちょっと待って！
値段に見合うだけの能力がコレには備わっています。
γ線が毎時5.3～5.5μSv（30cm離れた所で測定）も出ます。
これだけの線量を浴び続けられるこの商品さえあれば、もう健康はあなたの手の内にあるも同然ですね！

（放射線量の大きさの目安は、『( ´・ω・`)　放射線、浴びてますか？　その1』を参照のこと。）


………えーと、飛行機の搭乗員で問題になっている放射線レベルって、ちょうどこの位なんですけど。
ま、一日中この上に座り続けるわけじゃないから良いのかもー。
一応、局部放射？だし。
ちなみに、一年中この上に座っていると45mSv以上は確実に浴びることができます。
( ´・ω・`)